2026/11/4

中小企業のブランディング、なにからやればいい?

みなさん、こんにちは。デザイン事務所BEMO(ビーモ)の西尾です。


「ブランディング」という言葉は聞いたことがあるけれど、具体的に何をすればいいのかはよくわからない。そんな方も多いのではないでしょうか。もちろん、会社の状況によって打ち手は様々ですが、多くの企業さんにオススメできる第一歩は

自分らしさとは何か、言葉にしてみることです。

ロゴやホームページも、その言葉があってはじめて、ブレずに形にすることができます。

ブランディングとは、ファンになってもらうための経営活動

ブランディングとは、お客様にファンになってもらい、会社の価値を高めていくための経営活動です。誰に届けたいのか、どんな言葉で伝えるのか、どんな雰囲気で見せるのか。そうしたことを考え実践していく活動です。

そう聞くと難しそうですが、構える必要はありません。たとえば「家族で遊べる銭湯」「激辛専門の四川料理屋」のように、お店のコンセプトや届けたい相手をはっきり言葉にすること。これも立派なブランディングの一歩です。

ブランディングは利益に効く

ブランディングの効果というと「認知度が上がる」がよく挙げられますが、BEMOは、本来いちばん効くのは「利益そのもの」だと考えています。

利益に効くポイントひとつめは、お客様との関係が深まること。
リピートしてくれるお客様が増え、SNSで自然に紹介してもらえることも増えるので、大きな広告費をかけずに届けたい人へ届くようになります。地方の小さな会社やお店にとって、これは生命線といってもいいほど大切です。お金をかけずとも集客ができるというのは商売を行う上でとてつもない強みになります。

もうひとつは、働く人にも届くこと。
考え抜かれたメッセージは、お客様だけでなく働く人にとっても「ここで働き続けたい」という想いを作る可能性も高いです。企業の方針、メッセージに共感して入ってくれた人は長く活躍してくれやすく、社内の一体感も高まります。また、採用や教育にかける費用も抑えられるため、人材という面でも投資を効果的に行うことができるようになります。

自分らしさ、そしてお客様のことだけを考えてもうまくいかない

ただ、「お客様のことを考え抜けばいい」「想いを強く持てばいい」かというと、そうではありませんよね。理想に走りすぎて利益が出なくなれば会社が続けられません、本末転倒です。

ブランディングは経営戦略です。「ブランドの成長=会社の成長」にするため、BEMOでは、「自社」「市場」「顧客」の三つの視点のバランスを大切にしています。

このバランスは、社内でも人によって見え方がまったく違います。お客様のことばかり気にしている人、世の中の動きを見ている人、会社の財務や働く人の気持ちを気にしている人。全員の視点を一度そろえ、あるべき方向に収束させないければ、話はなかなか前に進みません。

社内の共通言語をつくる、ビーモのブランディングワークショップ

そこでBEMOが行っているのが、この「自社」「市場」「顧客」の三つの視点で意見を出し合うワークショップです。

参加者は付箋に意見を書き、一人ずつ順番に発表しながらボードに貼っていきます。ルールは、書いた付箋は必ずみんなの前で発表すること。通常の会議では、上司と反対の意見があった場合、発表するのを躊躇してしまいますよね。でも、順番に発表していく形式をとると、どんな意見でも一度は発表することになります。こうした機会を作ることで、役職に関係なくフラットに意見を出し合えるんです。ビーモではこうした話し合いの仕方自体もデザインしご提案いたします。

以前、ある観光施設で行ったときも、責任者の方とスタッフ十名ほどで「自分たちはどんなサービスを届けたいのか」を話し合いました。最初は立場ごとに意見がばらばらでしたが、並んだ付箋を眺めながら話し合いを重ねるうちに、少しずつ共通する想いが見えてきました。最後には、誰かが押し切るのではなく、全員が納得できる形で、届けたいサービスの理想像を言葉にすることができました。

代表的なワークショップの流れ

ワークショップでは、「自社分析」「市場・競合分析」「顧客分析」の三つで現状をしっかり捉え、そのうえで「ブランド設計」として進む方向を決めていきます。どれも大切だとわかっていながら、日々の仕事に追われてなかなか手が回らない、という会社も多いのではないでしょうか。

自社分析

① 想いを言葉にしてみる

「今気になっていること」「やった方がいいと思うこと」など、頭の中のもやもやを自由に出し切ります。みんなの意見にどれだけ違いがあるのかが、ここで見えてきます。

② 強みや弱みなど自社の特徴を整理する

SWOT分析(強み・弱み・機会・脅威を整理する手法)などのフレームワークを使って、自社の状況を確認します。面白いのは、立場によって自社への認識にかなり差が出ること。さまざまな視点から意見を出し合います。

市場・競合分析

③ 市場や競合への理解を深める

世の中の動きや、競合の中での自社の立ち位置に目を向けます。強みだと思っていたことが実は競合も力を入れている領域だったり、弱みを強みに変えるアイデアが浮かんだり。自社と市場を並べることで、いくつも気づきが生まれます。

顧客分析

④ お客様のことを徹底的に、具体的に考える

実際のお客様を思い浮かべながら、具体的な人物像(ペルソナ)や、商品を知ってから買うまでの流れ(カスタマージャーニー)を描きます。経営層と現場とで、お客様の印象が意外とずれていることに気づく場面もよくあります。

ブランド設計

⑤ 大切にすることを決める

ここまでで見えてきた課題や自社の立ち位置をもとに、お客様にもっとファンになってもらうために、何を大切にするのかを言葉にします。自分たちの想いと、市場の状況、お客様が望むことのバランスを見極め、大切にすること、集中することを決めていきます。そうすることで、周りの人に「自分らしさ」が伝わりやすくなっていきます。

⑥ やらないことを決める

同じくらい大切なのが「やらないこと」を決めること。会社のリソースは有限です。広く整理してきたからこそ、「やった方がいいこと」のアイディアが大量に溢れてきます。やることを決めるのと同じくらい、「やらないことを決める」というのも大切なことです。ここまでのワークを積み重ねたことで、ただ考えなしにやらないと決めるのではなく、「準備が必要なので来年に回す」といった、理由のある前向きな判断ができるようになっていきます。

⑦ コンセプトを言葉にする

最後に、1年後、3年後、5年後にどうなっていたいかを、コンセプトとして言葉にします。これがブランドの核となり、ロゴやWebサイト、パンフレットなどをつくるときの指針になります。時にはビーモからコンセプトをご提案することもあります。関わる人みんなで、自分らしさを体現した力のある「言葉」を作っていきましょう。

ブランディングとは言葉にすること

ブランディングというと、ロゴやWebサイトをつくることを思い浮かべる方も多いと思います。もちろんどれも大切な制作物ですが、その出発点はいつも「言葉」です。

こんな体験を届けたい。こんなふうに喜んでほしい。こんなふうに働いてほしい。そうした願いを、ブランドのオーナーであるみなさん自身が言葉にし、想いを持てるかどうか。そこは、デザイナーの力だけではつくれない部分だと考えています。

BEMOは、デザインの提案だけでなく、この「自分らしさを言葉にすること」からお手伝いしています。ワークショップだけ、一部の工程だけのご相談も歓迎です。会社の資産になるブランドの核づくりを、ぜひご一緒させてください。

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